刑事訴訟の原理
- 作者: 松尾浩也
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 1974/01
- メディア: 単行本
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45年近く前に書かれた本で、旧刑法改正云々、書かれてあるのは新鮮であった。
弁護人は依頼者に不利益な行為をすべきではない、当然のように思っていたけれど、
ドイツではA自白を勧めるのは弁護人の任務ではない、しかし、B被告人に自白の意思があるのを抑止したり、すでにした自白を撤回するよう説得したりすることは許されない、という見解が、ほぼ通説の地位を占めている。
昔のドイツでは、被告人<真実のようだ。
ドイツでは、弁護人が承認との事前の接触を避けたがる傾向があると言われている。それは、真実をまげるための面接ではないかと疑われ、痛くもない腹を探られる破目におちいるのはいやだという気持が働くからである。
口先だけの弁護人と少し趣が違う。
弁護士は真実を追求するべきか、被告人の利益か、で、アメリカでも
そして、これらの一般原理から生ずる禁止の具体例としては、法律を守るより罰金を払ったほうが安上がりだと助言すること、たとえ公平な裁判が得られないという予測や召喚の根拠法令の違法性を理由とする場合であっても、逃亡したほうがよいと勧めること、最高裁判所が有効とした法令の効力を争い、違反してもよいと公言することがあげられる。
これも現在のアメリカの弁護人のイメージ(が明確にあるわけでもないが)と少しずれて、昔の本を読むのも勉強になる。